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ゆけむりヨットレースへ向けての練習と整備 [ヨット]

蛇島.JPG
            夕方、マリーナから技術仕官が撮った写真 右寄りに蛇島が見える

1週間後にレースを控えて,この日曜日は練習と整備をしました。


出帆した時は、ほとんど風がありませんでした。
工場の煙もまっすぐ上に登っていました。

今日は、私は最初からヘルム(舵)を持たせてもらって、
大津島に付くまで、ほとんどずっと舵をとりました。

実際のレースの時は、ヘルムスはベテランの大師匠が勤めます。
舵を切りながら、いろいろな指示も出します。
他のクルーもベテラン組は、小さな調節を自分の判断でやって
少しでもヨットが早く進むようにします。

前回舵を持たせてもらった時は、帆についているテルテイルというリボンを見て、
帆が効率よく風を受けているかを判断する事ばかりに気をとられていて、
進路の事が意識にありませんでした。

舵の切り方の感覚もないまま、微妙に変わる風に翻弄されてふらふら進むものだから、
教えてくれる人たちも、何が分かっていないかも分からず、
風と同じほど頻繁に指示が出ていました。

今回は、遠くに見える島などに目標を定めたら、
そこに向けて船をまっすぐ進めることだけに集中しました。

はじめは、吹かないと思っていた風が吹き始めたと思ったら、
腰の強い風がずっと吹き続けていたので、
その呼吸にあわせて舵を動かしているうち、丁度スピンシートを扱った時のように
風とやりとりする楽しい感覚が芽生えてきました。

「久々の風だなあ。」と軽快な走りに、皆いかにも満足そうでした。
このところのレースはずっと、無風に悩まされたそうです。

ふわふわとした力のない変わりやすい風の時は、
フェイントを掛けられたような気がする事もありますが、
舵に抵抗感がグーッと伝わって押してくる時は、こちらもしっかり受け止めるように押し返し、
「あっ引いて行くな」と感じた瞬間に、舵を反対に切ります。
そんなやり取りに集中している最中に、
「いい走りしてますよ。」とコック長から声がかかったりして、
基本はこういうことだったのかと思いました。

そして、こうした風とやりとりして遊ぶ事こそ、
ヨットの醍醐味のひとつだと、つくづく感じました。

ただ、コース取りには、いろいろ複雑な要素が絡むので、
この方角のこの風なら、今はどう進むかといった判断は、まだできません。

そうした事まで考えて自分で判断できるようになれば、
さらに面白いのだろうと思います。


今回、蛇島(さしま)のすぐ近くを、ヨットで通った時、
まだ、目標を見つめるのに一生懸命で、
島をゆっくり眺めるゆとりのなかった事だけは、心残りでした。

ヨットで、島の側を通り過ぎる時はいつも、格別だと感じますが、
それは、鳥の声が聞こえるほどの静けさと、ヨットの速度によるのでしょうか。

蛇島は、子どもの頃にはあった海水浴場に泳ぎに来たきり、
一度も訪れた事がないので、とても懐かしい気がしました。

ちらりと見ると、
夏になると賑わっていた、海の家はおろか桟橋すらなくなっていて、
島は昔から手付かずのままだったかのような、自然で静かな様子をしていました。
あの頃あった連絡船はもう行き来していないのでしょう。

いつもお昼を取る大津島に着いて、ヨットの上でお弁当を食べると、
あまり間をおかず、帰路につきました。
帰ってからレースに備えての仕事がたくさんあったからです。

セールの取り替えは、この日の練習項目の中に入っていましたが、
メンバーが不足な上、下りの風が強かったので、
「練習しないまま帰ったら、N師匠に叱られちゃうかなあ。」とか言いつつ、
そのままびゅんびゅん帰りました。

「今日は行きも帰りもいい風だねえ。登りで7.4ノットだったもんねえ。」
ヨットらしい走りを満喫できて、みんな子どものように嬉しそうです。

仕事でセーリングには参加できなかった大師匠が、
予定よりも早めに着いたヨットに合わせたかのような、
ぴったりのタイミングで、マリーナに現われました。

大師匠はセイルを変える練習をしなかったと聞いても、ニコニコしていました。
行きは私がずっと舵を持ったと聞くと、ニヤニヤしました。
前回とは違っていたところを、見て欲しかったと内心思いました。





Blue Note.JPG
               (技術仕官撮影)


今回もマスト登りの作業がありました。

前回は他の作業にかかっていて、大師匠がウィンチで登ってゆく過程を見ていません。

命綱.JPG
      
             布製の椅子のようなものに、ズボンをはくようにして入り、その椅子にメインセールを挙                        げるためのシートを取り付けて、ウインチを巻いてあげてゆきます。
 



ウィンチ.JPG
             ウインチを巻くのは大変な力仕事なので、交代で巻いて行きます。


マストのぼり.JPG
        大師匠は下の人が少しでも楽なように自分でも力を使って上がろうとしるようでした。




マスト作業が行われている間、
私は、甲板長といっしょに、船底のワックス掛けをしました。
この日は、電動の磨く機械が用意されて、それは甲板長が扱いました。
コック長が何でも持っているのに、驚きました。



ワックス掛けをしていると、上でのやり取りが耳に入ってきます。
マストの上で足りない道具があると、上から道具を入れた袋を下ろして、
それに入れてもらって引き上げます。

時々、ぴったりの物が中々見つからず上で待たされるような時でも、
大師匠は柔和な声で、辛抱強く指示を出していました。

「こわくないですか?」と、いつか聞いたら、
「そりゃあ、いい気持じゃあないですよ。」との事でした。
布製の椅子は、姿勢によっては食い込むそうで、本当は一時でも早く降りたいでしょう。


整備やワックス掛けが終わって帰る頃は、すっかり暗くなっていました。
いよいよだという気持がして来ました。




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コメント 6

コック長

練習もあれだけいい風が吹くとうふふですね
ハルムスは楽しいでしょ?.
レースもわくわくしちゃいますね
もすこししたら燃料を買ってからマリーナに行き準備します
この準備作業なんかも楽しいんですよね
by コック長 (2011-10-06 10:47) 

あんきょ

この前は久しぶりに風が吹いて、楽しかったです。
今度の別府もある程度風がでてくれるといいですね。
強風は勘弁ですが・・・

では、土曜日にお会いしましょう。
by あんきょ (2011-10-06 20:56) 

reiko

季節が変わりましたから、これまでとは違う事があるのだろうと、
楽しみにしています。
又、お世話になりますが、よろしくおねがいします。
by reiko (2011-10-07 05:49) 

reiko

ヘルムスも良い風が吹いたから、一層分かりやすかったのですね。
本当にたのしかったです。いろんなことがもっと分かれば、もっと楽しいのでしょうね。
 準備しながらわくわくされているコック長さんが想像できます。

by reiko (2011-10-07 05:53) 

黒吉

なんか めちゃくちゃカッコいいじゃないですかぁ!
憧れるなぁ 僕もやってみたいです^^

by 黒吉 (2011-10-10 00:24) 

reiko

黒吉さんのような方が、ヨットのクルーにいたら、どんなにみんな助かるでしょう。琵琶湖ではヨットが盛んなのではありませんか?是非体験なさってみてください。正真正銘カッコいいと思いますよ。
by reiko (2011-10-10 00:39) 

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