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シャッターチャンスのこと [雑記]

心を捉えるシーンに出あって、手元にカメラがあったら、とにかくシャッターを切る
デジカメになって、失敗した写真はその場ですぐ捨てる事が出来るので、
シャッターを切る事はほんとうに簡単になったと思う。

そうやって撮った写真の出来が良くなくて、他人には何の興味もわかないようなものでも、
自分にとっては、そのときの体験や印象を、まざまざと思い起こさせてくれる
大切なものになったりもする。
夫が写真を一生懸命撮っていた頃は、子どもの写真でも出来が気に入らないと、捨てていた。
わたしは、どんな写真を見てもそこに写っている子どもの姿を可愛いと思ったから、
後でそっとゴミ箱から拾ったりしていた。

オートできれいな写真がとりやすくなったが、
たまにシャッターチャンスに恵まれると、自分でも期待しなかったような写真が
撮れることがある。
私にとっての、シャッターチャンスは”偶然のお恵み”だ。

でもシャッターチャンスという自分にとっては偶然でしかないものが、
実はそうとばかりはいえないことに気がついた。

若いころから、80歳を過ぎた今も鳥の写真を撮り続けている方を知っている。
車や単車で出かけるばかりでなく、鳥を撮るための旅行に出かけてたくさん撮っていらっしゃるのだから、
私たちが普段目にする事のない、珍しい鳥の珍しい瞬間の写真もたくさんあるけれど、
その方が写すと、なんでもない鳥の、ありふれた生活の様子が、本当に愛おしく見えるのだ。
やはり、見る人の目、心を写しているのだと思う。

時々写真を見せていただきながら、おはなしを聞く。
「どうしてもカメラに収めたいと思って、この木の前にカメラを据えて、待っていたんですが、
ついうとうとして居眠りしてしまったんですよ。
それで、ふと目を覚ましたら、ちょうど目の前のこの枝に止まっていたんで、
あわててシャッター切ったんです。」
その時の情景を、思い浮かべると、絵本でも見るような、ほのぼのした気持になる。

ある時こうした、「ちょうど、、、」「たまたま、、」「偶然、、」というお話がたくさんあることに気がついた。

カメラを据えて待つ場所を選ぶとき、鳥がやって来て止まりそうな木の種類が分かるばかりか、
もっと繊細なところにまで勘が働くほど鳥の習性を熟知されているから、そういうことが
度々おきるのだ。

長い年月、ひとつのものに愛情と情熱をかけてこられた方にとっては、
チャンスは”予約を入れて会いに出かける”ようなものなのかもしれない。




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