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湯けむりヨットレース(1) 行きの 回航 その1 [ヨット]

8日の日曜日の湯けむりヨットレースに向けて、
マリーナを出港するのは、前日の朝10時半の予定でした。

少し早めに着いた私が一番後でしたから、
着き次第すぐに、出港の準備に入りりました。

すると間もなく、
「あれーえ。メインがない!」
というような声がキャビンの中から聞こえました。
「メインがない?ほんとお?」
本当になかったのです。
そして、私達のヨットでは、ほんとう?というような事は良く起きるのです。

何がなくても、困るでしょうけれど、メインセールは、代わりがききません。
結局、大師匠と技術仕官はメインセールを取りに
コック長のところまで行ってくることになりました。


ヨットに残った甲板長と二人で、艤装を始めました。

ヨットが海へ乗り出す前に、セールを揚げられる状態にまで準備したり、
キャビンにしまってある道具類を、デッキですぐ使える状態にセットしたりします。

メインセイルは、途中で取り替えることはありませんが、
ヨットの前方で使うセールは、風に合わせて取り替えます。
操るためのシートはそれぞれに、色分けがしてあって、装着手順もちがいます。

以前はそうした作業は複雑難解に見え、
手伝うにも、いちいち聞くのでは邪魔になりそうで、
皆が忙しそうに準備する間、見ていることしかできませんでした。

今は指示や確認を仰ぎながらでも、出来る仕事が増えてきました。
1年前には、想像できなかったことです。

いつかはみんなのように、風や潮や地形、それぞれの帆の性能を読んで、
自分なりの判断ができるようになるのでしょうか。

メインセールが届いて、セットしたら、すぐに出港しました。
予定より1時間の遅れでしたが、ともかく無事出港したのです。

出港するといつも、海の上に出た喜びと、
出港前の忙しさからの開放感で、ホッとする気持が、
ハプニングで焦った分だけ、増したのではないでしょうか。

ああやっぱりいいなあ、、といったみんなの気が
風と共に甲板を流れます。

岩島の灯台を通り過ぎると視界が広がるので、
ここを通る時は門を出る時のような気分です。




岩島.JPG
             岩島


振り返る.JPG
           岩島を振り返る




タンカー.JPG




甲板長.JPG





大型船と行き交う時だけは、少し気をつかいますが、
舵は、GPS,で方角を決めたオートヘルムに任せて、
穏やかな天気の中、後はゆっくりと回航を楽しむだけです。

オートヘルム.JPG
            オートヘルム


出港がお昼に近かったので、
少し落ち着いた1時ごろに、昼食という事になりました。

ヨットの上で、ビールを飲むのが、大きな楽しみのひとつである、
大師匠と、甲板長は、もう既に、ビールとおつまみがお腹に入っていましたが、
広げた昼食はそれから長い時間、テーブルの上にあって、
ゆっくりとみんなのお腹におさまってゆきました。


気がついたら、船尾から流していた浮きに、
黄色っぽい金属のような色合いの皮をした、シイラという魚がかかっていました。


引き上げる大師匠.JPG



大師匠が引き上げて、写真を撮りましたが、
風もあまり吹かない回航中のちょっとした出来事でした。
いつものにこやかな大師匠の顔は一層にこやかになって、
姿といえばふざけた子どものようでした。




姫島を過ぎると、6月に南風杯レースのあった、海域に入り、
視界の悪かったレースのコースが実際はどういうものだったのかを
技術仕官から説明してもらいました。

その時のゴール地付近にある、武蔵港は
大分空港のすぐそばで、
一度はヨットのすぐ上を大きなおなかを見せて飛行機が通り過ぎました。

写真は撮るのが間に合わず、
ヨットのマストについているスプレッダーと圧倒的な大きさの機体が重なった映像の
濃いグレーの色とつるんとしたおなかの印象だけが残りました。


入港する予定の別府の北浜港の位置については、
視界が変わるごとに確認がされていました。


甲板長と技術仕官は、今回のように仕事の都合で、
後から現地入りするコック長抜きで、二人で回航したことがあるのです。

入港場所が海からでは分かりにくくて、
苦労した時の話を技術仕官は面白く話してくれました。


あそこが、、、.JPG





あれかな.JPG




見えてからが長いのだと技術仕官の言ったとおり、
近くの景色は変わって行っても、遠くの岬はいつまでも近づきません。

でも、そう思っているうち、少しずつ少しずつ見え方が変わり、
いつの間にかその岬を廻っていたりするのです。
ヨットではヨット独特の時間が流れているように感じられます。






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コメント 2

あんきょ

メインセイルを忘れるなんて、普通では考えられませんね。
ジブ2枚も同時に忘れるんですもん。
この前は、メインシート、ジブシート、スピンシート忘れたんですから、今度は・・・

クルーを忘れたりして(‾0‾;アッ

それと、大分空港で飛行機の真下というのは本当にすごかったですね。
by あんきょ (2011-10-12 23:40) 

reiko

ほんとほんと、考えられない事が、普通に起きるブルーノートですね。
あの飛行機撮れなかったのは、ちょっと残念でした。でも強い印象も残っています。飛行機は早いですね。でもあんなに力強い飛行機も風に乗ったり流されたりするのですよね。
by reiko (2011-10-13 20:44) 

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