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暮れの10キロランニング [日誌]

  大晦日の日、帰郷した娘と一緒に10キロ走ることになっていた。
              それまでに、5キロなら走ったことがあった。
       
    決して走るのが得意とは言えない夫が、
       何らかのイメージが湧くのか、急に大会に申し込むのだ。
        
      子供も一緒に申し込んでおいて、夫だけは取りやめて、
         行っておいでと送り出された事もあった。 
       二人で泊りがけで出かけて前夜遊んだら、それで満足して
                    当日のレースは出るのを中止したこともあった。

      私は走る練習だとかは好きではないから、
         いきなり大会で走ることがほとんどだった。
       そして、終るとそれきり何年も走らない。
    、     
         最後に走ってから6,7年になるかもしれない。

        今回娘から、暮れに帰った折に10キロ走る予定だ、と聞いた時は、
         間近になった娘の帰郷が嬉しくて、じゃあ一緒に走ろうかと、ついつい言ってしまった。

       

       5キロでも、途中ではいつも、なんで走ることにしたんだろう、
         早くゴールに帰って走り終えたいと思うくらい長く感じていたから、
            その先がどんなものなのかは、想像がつかなかった。
              途中で何か故障するのではないかと思った。
               
         リタイアしたくなったら、夫の車に拾ってもらおう、
             その後は応援団にまわろうと、まず逃げ道を考えた。

           そのことを伝えると夫は面白がってさっそく
           全員が招待選手という”マラソン大会”を企画して
             息子、娘、私に招待のメールを送ってよこした。
           
       息子は、”カフェでゆっくりコーヒーを飲もうよー”と、返信で招待を断ったので、
            完走しさえすれば、たとえビリでも2等賞というわけだ。
         
         逃げ道を確保した後は、できるなら10キロと言う距離を完走してみたいと
                 夢が、、欲かな、わいた。

          
       


     そんな話が持ち上がる前に訪れた、上関の海沿いの道路は、
         景色も良くて、ほとんど平坦だから走り安いだろうと、
           コースをそこに決めた。


       道の駅をゴールにするつもりで、そこから車で10キロ計測して、
          出発地点も定めた。
  
       
        当日車には、伴走、撮影班に組み込まれた息子共々
           四人が乗って出かけた。

         午後から雨という予報が出ていたので、午前中に走ることにした。
            朝は気持ちよく晴れていたが、上関に着くころには
               風が少し出ていたので、向かい風を避けるため、
         ゴールに予定していた「道の駅」を、出発点にすることに変更した。



         娘はウエアを上から下まで、ランナーらしく決めていた。         
           不思議なもので、たった二人で走るというのに、
          出発間際になると、何だか気分が出て来てワクワクした。
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         夫と息子がそれらしく、盛り上げてくれたからかもしれない。
  
         計測器のあるジムのマシンでしか走ったことのない娘は、
        ペースが全く分からないというので、とにかくゆっくり走り始めようと、スタートした。

          初め伴走車は気になるのか、ほんの少しずつ前に行っては
          停めていたが、そのうちコーナーを曲がっても、
          車の姿が見えないという時が、あるようになった。
         
          停まっている車の姿が見えると、無意識にそこが目標になる。

          息子も夫も初めは「大丈夫?がんばりすきないようにね、、」などと気にしていたが、

           そのうち、そんなことを全く言わなくなった。

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          終始楽しそうに走っている姿を見て、
           あれなら行けそうだね、と途中から話したのだそうだ。

          
              



           逆コースにしたのは良かった。
   
           道路脇のすぐ眼下に、砂浜がみえるところが続いた。
        
        浅い静かな水面を、光があやされるように揺れている。
        澄んだ水を透して、明るい砂の色が見える。
            
        方々の岩場で、数羽ずつとまって羽をかわかす鵜の姿が見られた。

    、      
         道路の反対側には、すそ野から高見へ誘うように山が控え                  
         トビやアオサギが頭上を大きな姿を見せて飛んだ。

           広い海を抱くように連なる島は、
                 走る視点に寄り添って、少しずつ姿を変えてゆく。

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           来る時の車で鵜を見つけた時
            「あっ う。」  と娘が言ったのが可笑しくて、皆で笑ったので、
            走っていても鵜がいる度「 あ、う、」と他愛もなく繰り返しては笑った。
            もともと良く笑う娘が、走りながら冗談を言っては笑った。
            
           楽しかった。
           一緒に走ることにして良かったと何度も思った。

            「牡蛎があるよ、ちょっと下りて食べて行こうか」
            生牡蛎の好きな娘は、もしかしたら、私が
            「うん」と言えば、本当に寄り道したかもしれない。
 
           記録はお互い問題にしない (できない)から、
                                  ゆっくり走りつづけた。
          


          5キロまで走った時、これだけ走ってまだ半分なのだとも感じたが、
        苦しくはなかったので、この調子で同じだけ走れば良いのだとも思った。
            これからは、自分の未体験の領域だと思うと嬉しかった。
                    
           とはいえ、6キロや7キロのあたりは先の長さが思いやられた。
            8キロあたりになると、足が疲れて棒になりだしていた。
              (もうなっていたのかなあ。)
          でも、もうここまで来たら、どんな走り方になってもゴールにたどり着く事はできそうだ。
        
        見ている分には、ほとんど走り方は変わらなかったと、夫はいったが、
        惰性で走っているだけで、脚が上がらないと感じていた。
        
           でも、最後の1キロの短かったこと。    


P1000119.JPG
       
          
           そうなのだ。長く走ると、走った距離と比べるから、
                 相対的に1キロは短くなるのだ。

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      伴走の方が、ハラハラして大変だっただろうと思って、
          終ってから尋ねると、
           そんなことはない、こっちもとても楽しかったと、二人ともが言った。       

        今度は自分も走りたいなあ、、と夫は言った。
          僕は、いいかなっ、、息子。


     

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コメント 6

みねばあ

すご~い。練習しないで いきなり走る?それも 10キロ!
れいこさん親子 只者じゃあありませんなあ。
by みねばあ (2015-01-10 07:52) 

reiko

みねばあさま 遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年も又、出来れば宇和島に参りたいと思っています。どうぞよろしくおねがいいたします。

いいえ、いいえ、みねばあさまのいつかのバック転(というのでしょうか)には到底およびません。あれはどんなにがんばっても誰にでもはできませんが、走ることはゆっくりなら出来る事だと分かりました。走り振り見られたらそのこと納得なさるでしょう。
by reiko (2015-01-10 11:43) 

ちはやママ

うかつにもこの記事を見逃していて
ふと気づいて……。
なんとすごいことをしていらっしゃったのですねえ!!

ホントにただ者ではない。
参りました。
by ちはやママ (2015-01-10 20:28) 

reiko

いつも見てくださっているのですね。ありがとうございます。
私はこの頃夜記事書いていると、眠くて、半分眠って間違いだらけのまま
アップしていたり、降参して下書きに入れて寝たりします。
ちはやママさんのブログなども、お尋ねしたいと思いながら、ダウンすることも多いのです。失礼お許しくださいね。

自分が走る前だったら、人が10キロ走ったらわたしもすごいと思った事でしょう。
娘に付き合うつもりでしたが、娘が付き合ってくれたのだと思います。
by reiko (2015-01-10 22:01) 

只者

この母娘は二人とも清々しい上に美人さんですなあ。
by 只者 (2015-01-10 22:08) 

reiko

ン?怪しい只者ですねえ。こんなこと書いたら身元が割れますよ!
by reiko (2015-01-10 22:13) 

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