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キャビンでひとりでシージングした日 [ヨット]

一人でヨットに行った事はあった。
忘れ物を取りに行くとか、
返しにゆくとか、、。


先日、自分に割り当てられた仕事に、ロープのシージング(とコック長は書いていた。)
があった。

  シャックルにロープを取り付ける仕事で、
  具体的にはロープ同士を縫い合わせるのだ。
  ”お裁縫”の延長線上だからか、以前も私がやった。
  
  太い針と糸でロープを縫うのは力のいる仕事で、
  針の頭を固いもので押したり、 ラジオペンチで引き抜いたりして塗った。
  仕事が終わるころ、要領が良くなって、
  もともと縫い物が得意でないだけに、やり終えた時は達成感を味わった。

  糸が朽ちたので、今回縫い直すことになった時、
  ハイハイわたしの出番ですね、みたいな調子でいたら、
  (態度はもっと謙虚そうにしていたが)
  どんなに頑張っても、文字通りどんなに頑張っても
  針がロープにささってくれなかった。

  策を練って道具を揃えて出直すことにして、その日はあきらめて帰った。

  テンションのかかりっ放しだったロープが締ったせいかもしれないと気づき、
  コック長がヨットに行った折、 ロープを外しておいてくれるように頼んだ。


  コック長は滑りやすい糸を買って、ロープも外してキャビンに入れて置いてくれた。
  メールには家に持って帰って縫ってよいとあったのだが、
  まずやってみようと思い、そのままキャビンの椅子に掛けて始めてみると
  嘘のようにやり易くなっていた。

  持ち帰るまでもなくすぐ仕上がりそうだったので、
  そのまま、そこで仕事をすることにした。

  これまでキャビンは苦手な場所だった。
  船酔いした時キャビンに入ると酔いは一層酷くなって辛い思いをする。
  これまで、幾度となくそうした経験をしたので、
  酔っていない時でもキャビンに入るのを避けようとしている自分に気づくことがある。

  だから、この日も出かける前は、ヨットで縫うにしても
  甲板に持ち出して作業することをイメージしていた。

  
  ちょっとのつもりで座ったキャビンの中には
  先日までの寒さがゆるんで、
  春らしい心地のよい空気が流れこんでいた。
 
  

  高架したヨットのキャビンで繕いものをしていると、
年を取った漁師が浜辺で網の繕いをしているような映像が連想された。   
  自分も いっぱしのヨット乗りにであることを仮想していたかもしれない。

  クルーとしての実態は、いつまでも役立たずなのだが、
  こうやってロープなど繕いながら、ゆったり空想するのは自由だ。

  小鳥ならぬカラスだったが、しきりとあたりに響く声がのどかに聞こえ、
  キャビンの中は、これまで知らない時間が流れていた。

  
   
R079.JPG

       (写真は後日撮ったもので、、カラスのたくさんいるシーホースの背景の山)
  
  

  
  

  
  


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コメント 4

コック長

お疲れ様でした
お陰で昨日のドン吹きでもしっかりハイクアウトできました
今の船は基本的にキャビンで過ごす仕様ではないのですが少しでも快適に過ごせるようにひと工夫を考えますね

by コック長 (2014-03-24 19:42) 

reiko

初めて急に酔ったのが揺れるキャビンの中で下を向いた時でした。
先日の作業中は自分が居心地の良い場所にいると感じていました。
もちろん海が見えている外の方が断然好きですが、、。
ドン吹き、たのしかったですねえ。
by reiko (2014-03-24 21:59) 

ちはやママ

今度はキャビンでゆっくりお話しましょう。
by ちはやママ (2014-03-29 10:27) 

reiko

ちはやママさん、あたらしいCHIHAYAのキャビンのことですよね。
楽しみにしています。  
by reiko (2014-03-29 22:40) 

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