浜辺で [風景]
上盛山から見えていた浜辺は海水浴場の標識があった。
そこにコンクリートで作ってあった、屋根つきの椅子にすわって、
海を眺めながら、お弁当を食べた。
ああ、いいねえ。
のんびりとした景色を目の前に、うっとりしたように夫がいう。
いいねえという気持ちに水を差したくはないので、
そうねえと答えながら、
心にひっかかっている形をとらないものがあって、
目の前の景色に、自分は溶け込んでいないと感じていた。
おもしろいよ。どうしてあんな風な模様ができるんだろうねえ。
と、コンクリートの桟橋を先まで歩いて行って、
海を覗き込んでいた夫が指し示す方を見ると、
桟橋の右側と左側の水底に海藻が
それぞれ縞模様と、円をつくっていた。
ほんとだ、潮の流れ方がちがったりするのかしらねえ。
とろんとして湖のようだった、海面に
微かだが、風が渡り出して、
静かな波が打ち寄せはじめると、
けだるく感じられた浜が、生気を取りもどしたようだった。
2014-06-03 12:09
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空を飛ぶサギを中心に傘をさしたようにぼんやりとした白い円が見える気がします。
丸く円を成した海草に眼を凝らした後だからでしょうか?
by シジュウカラ (2014-06-18 07:18)
残像かもしれませんね。海藻が縁を描いて生えているなんておもしろいですよね。どういうことなのでしょうね。
by reiko (2014-06-18 20:47)