探鳥会 鹿野 [鳥]
鳥を観察するのは、夫にとっては日常的な事ですが、
野鳥の会の探鳥会に参加したのは、何年ぶりの事です。
案内のハガキに、探鳥会の後、午後からは
深町さんと言う方が自作された山小屋で、
巣箱作りを体験をするという”おまけ”がついていました。
木工をかじったり、小鳥用の巣箱を作ってきた夫は、
そちらにも興味があったようです。
しんとした森を歩きたいと、このところ何となく思い続けていた私は、
渓流沿いに建てた小屋の近くに停めた車を出て、
まさにしんとした空気に包まれると、
鳥の観察という、探鳥会本来の目的を忘れてしまいそうでした。
深い繁みを漏れてくる光は、濃い影の中でゆれながら、
一層眩しい光を放っていました。
たくさんの実をつけた桜、
鳥もたくさん実を食べにやってくるそうです。
こういう場所でのそうした賑わいは、さぞ楽しいのでしょうね。
まずは、野鳥の観察へ。
暗い木立の中で木漏れ日を受けた葉の美しさが
どこを歩いていても気を引いて、ついつい遅れがちになります。
木の葉が繁ったこの季節に入ると、野鳥の姿は中々見えにくくなります。
それを償うかのように、美しい声が響き渡ります。
身近でも良く聞かれるホトトギスやウグイスの他に、
夏の歌姫として知られる、キビタキやオオルリ、イカルなどの声が
何度も聞かれました。
一度など、キビタキとオオルリの声が入り混じって聞こえるなど、
豪勢なことでした。
案内をしてくださった、小林さんがこれは何でしょう。
どんな鳥のためでしょう。 とクイズのように言われました。
巣箱ならぬ、”巣台”だそうで、オオルリが巣を作るのだそうです。
道路標識の裏側に苔を運んだ主はオオルリとのこと。
卵はみえなかったようです。
帰り道は、開けた車道を通りました。
影のないその車道に出ると、途端に暑くなりました。
木立に囲まれ、渓流の傍らの小屋にいると、
まさに楽園なのでしょうね。
小屋の側に来たキセキレイ(私には見えませんでした。夫の撮った写真をトリミング)
渓流とは反対側の杉林の木にいくつか掛けられた、
深町さんお手製の大きな巣箱
そのうちのひとつで、今はオオコノハズクが雛を育てています。
以前は、マガモが何度も雛を孵したことがあるそうです。
オオコノハズクが巣箱で雛を孵したのが観察された、
日本で最初の報告例が、
深町さんのここの巣箱によるものだそうです。
巣箱の中の様子を観察するために、
長い梯子が用意されました。
見たいと言う人が並ぶ時、(多くはありませんでしたが、)
躊躇はあり、並んでいても内心迷いました。
やはり、のぞかれる雛の事がかわいそうだと思ったのです。
でも、見たいと思う気持ちがどうしても抑えられませんでした。
雛はかなり大きくなっていましたが、
薄いグレーのうぶ毛が、わずかな風にも震えるようにゆれていて
命の危うさのようなものが感じられ、
愛しさに切なさがまじっていました。
梯子をおりでから、ドキドキしていることに気がつきました。
後になってから、きっとどこかで見守っていたであろう親鳥の気持ちを思い、
ただじっとしていた雛以上に、可愛そうな思いをさせたと思いました。
深町さんは、これまでの経験から、
ちゃんと立派に育ちますし、
来年も又、もどってきます。心配いりませんと安心させるように言われました。
別の巣箱にはムササビが入っていました。
「わあ、可愛い」と言う声がきこえていましたが、
目の縁の模様がパンダのようにみえるからかもしれません。
写真を撮ろうと近づいた時の印象では、怖い表情にみえました。
撮れた写真をアップでみると、やはり警戒している顔にみえました。
観察がすべて終わったところで、
鳥合わせがされ、皆で16種類(ききのがしたかもしれません)ぐらいの
鳥の名があげられました。
午前中で帰る人もいましたが、
残った人たちは、道路から階段をおりて、流れの側の小屋で、
お弁当をひろげました。
2014-06-04 10:20
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コメント(3)
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渓流の傍にある林住楽園、あれは最高の贅沢です。渓流沿いの山の中を歩くのもよかったですね。
by 辻龍雄 (2014-06-05 00:20)
僕が撮った写真(腹の黄色い鳥)はキビタキではなくキセキレイです。
深町さんによると近くに巣があって子育てをしているらしい、との事でした。キセキレイは普段は地面か河原にいるのに、人が来るとあのように枝に留まるのは巣を守ろうとしている、というのが説明でした。
by 夫 (2014-06-05 12:46)
辻龍雄さま 本当に、素敵な場所でしたね。きれいな声が響く山道のウォキングもたのしかったですね。いつか又訪れたいと思っています。
夫様
キセキレイのつもりで、キビタキと書いていました。コメントを読まれない方の為に書き直しておきます。
小林さんはキセキレイを二羽みられたそうです。多分つがいだろうと言われていました。鳥や、ムササビにとっては、気苦労の多い一日だったでしょうね。
by reiko (2014-06-05 19:45)