SSブログ

長田海岸にて [ヨット]

\
IMG_9198_R.JPG


  ポンツーンではボートから下りてきた一人の人と行き合っただけでしたが、
    浜の方では若者達が集まってあそんでいるようでした。




IMG_9191.JPG

    撮る時はよく見えなかったのですが、後で写真を見ると若者たちは
        サイクリングで来ているのですね。



  ゆるやかに囲まれた静かな場所にいて、
   若者のはしゃいだ声と、カモメの甘えたような鳴き声が、
                 静けさを報せるように、時折響いていました。





IMG_9202_R.JPG








IMG_9197_R.JPG







IMG_9209_R.JPG









IMG_9196_R.JPG







IMG_9193_R.JPG








IMG_9208_R.JPG

     
      着いた時すぐ目に着いて、カメラに収めていた人影の事を、あとから
          「動かないけど、何してるのかなあ」と
             ぽつんとした口調でコック長が言いました。

    皆でじっと見ていると、竿がキラリと光った瞬間がありました。
             
                     「やっぱ、釣りだね。」
  
         炎天下、ひとりでひたすら竿を垂れている小さな姿は、
     直線的な景観の広さや静けさと相まって、惹きつけるものがありました。



   

        食事がすんでからも、思い出話が懐かしく語られました。
       コック長は学生時代いろいろなアルバイトを体験しています。

          聞かねば、想像の及ばなかったような話を
            目の前の人の口から具体的に聞くと、
  未体験の世界が急に身近なこととして感じられ、生き生きとした像を結びます。
         


 着いた直後は、「防波堤に阻まれて風が通らないから暑いね。」       
             などと言っていましたが、
           パラソルの影でゆっくりしていると、
        流れてくる風が感じられるようになって心地よく
  なんだかこのままお昼寝したら気持ちよさそうだと思うほどでした。、




ヨット練習の予定だった夏の日    [ヨット]

「こんな暑い日にバカでしょう?
でも今日は練習の参加者が3人だから、
私も絶対何かやらせてもらえると思うの。」

そう言って張り切って出掛けました。

カメラを忘れて取りに帰り、ぎりぎりで着いた時、
「慌てなくていいですよ。」 と言いながら
荷物を運んで行ったコック長の後を慌てて追ったら、
コック長と甲板長は事務所の前のテーブルに腰をかけていました。

そうでした。今日はちゃんと練習のシミュレーションをしてから出るのでした。

コック長が練習の手順をメモしてきたものを
読み上げてくれるのを聞きながら、
「分かることもあるけど、言われてもピンとこないこともある。」と思いながら、
はりきっている反面、ちょっと不安な気持ちも湧いていました。

ヨットに登ってゆくと、コック長がスターンのテーブルの蓋を開けて
そこに何やらポールをさしこんでいます。

パラソルのようなものを取り付けようとしているのです。

すばらしいアイデアだと途端に嬉しくなりました。

ヨットはいつでも大好きだけれど、夏の真っ盛り、
無風で照っている時のヨットの上の暑さは照り返しもあって、相当なものです。

鍛錬の行きとどいている甲板長にとっては問題にならないのか
パラソル設置に必ずしも積極的ではなく、
上手くゆくかどうかについても半信半疑の様子。


IMG_9150_R.JPG


確かにブームの動きを邪魔しないように設置するのは難しそうでした。
 
私は、ひたすら上手く行くよう念力を送るしかありません。


   念力の通じた結果が、、、ちがいました。
 コック長の努力の成果がこれです。



IMG_9156_R.JPG







IMG_9153_R.JPG


美しさもうれしいとおもいました。




IMG_9161_R.JPG

    このところ晴れても水平線の見えないような霞んだ景色が続いていました。

    それが久々の青い海と青い空、そして夏の雲です。
      パラソルがあれば、文句のつけようがありません。


  
  出港して間もなく
    甲板長が、そうそう、、と切り出したのは
     メールで予告されてあった思いつきについてでした。
     
   「 ヨットから凧を上げしたらどうかと思って、、」 

      電線はないし、、、いいんじゃないかと

     (凧揚げして遊ぼうってことですか?)
   

   「上空の風の様子を調べたり、、、、、」
   
   「下りでは推進力になるかもしれないね。」


   どこからどこまでが本気なのか

      
   パラソルつけたブルーノートに乗っていたら、

      凧が上がっているブルーノートをイメージするのは抵抗ありませんけれど、、、。

   練習へ向けての緊張感が なんだかフアフワ空にのぼってゆきそうです。






IMG_9162_R.JPG

   中空には季節が秋へ移ってゆく報せのような雲




IMG_9167_R.JPG

   
   パラソルの効果は予想以上でした。

  海の上にいて、日陰にいて、風が吹いてきたら、
   こんなに爽快なことはありません。

   
  

IMG_9168_R.JPG



  「おかしいなあ。予報では7メートル吹くって言ってたんだけどねえ。」

  「lこれじゃ、練習にならないね。」 

  「どうしますか。 クルージングにきりかえますか、、、」 


        


IMG_9172_R.JPG



    「そうだ、ボートに忘れてきたライジャケ取りに行こう!」   
          
     とコック長が言って、目的地が,長田海岸に定まりました。
      
     ジブセイルをあげたり、トリムしたりはしましたが、
     いつの間にかクルージングモードに切り替わっていました。


       



IMG_9174_R.JPG



   



 きっぱり晴れたヨットの上での、パラソルの日陰は嬉しく新鮮だったからか
       
    見知らぬ土地を旅している時の気分になっていました。





IMG_9179_R.JPG


   花崗岩を切り出している島の一角が砦のように見えました。   







IMG_9184_R.JPG



  山際は夏らしい雲



IMG_9190_R.JPG






IMG_9192_R.JPG

  
長田海岸に着いたのはちょうどお昼時でした。



今日の海 [ヨット]

今日の空と海です。

IMG_9173_R.JPG



ヨットの練習予定のメールが入った時は
どこでも酷暑のニュースしきりの折でした。

この暑さの中で本当に練習するんですかあ。

出てゆく自分の判断もまっとうじゃない、、と思いました。




でも、ヨットに出掛けて行って後悔した日はありません。
 
「ヨットに乗っていてよかった。」と思わなかった日もありません。
でも今日は又、その中でも格別の日だったと言えます。


昨晩遅く、今朝早かったので、
今日はもう休もうと思います。

出来れば記憶の生きの良いうちに記事にしたいと思っています。



宮島レースの記録 [ヨット]

参加できませんでしたが、コック長の報告メールより抜粋して
記録を残しておこうと思います。

参加できなかった皆さんに報告:
エンジンが不調でGPSも天国に行きスタートに間に合わないから松山に行ってダッシュ村の島にいこうかそれとも道後温泉に入ろうなどというプランも出ていましたが念のため?レース会場に向かう努力はしようと頑張りました
コミッティに何回も連絡をして本部船の横にたどり着いたのがスタート10分前
無事受付を終えゼッケンをもらってスタートラインにたどり着いてエンジンを切ったのが5分前の超無駄のない回航でした
結構いいスタートを切って宮島水道ではメルジェスとベネトーだったかな36か37ftの船に続いてベスト3艇の中に入っていたのですが途中風がなくなって混戦模様となり全コースの4分の3辺りではオープンクラスのトップ?!でしたがジェネカーを上げてからが走らなくなり少しずつ遅れはじめました
あのままジェネカーで走っていたら・・・が今回のお決まりの”タラ”でした
当然ブルーノートは定説?を破らない船ですからしっかりジェネカーをスピンに替えようと欲を出して虎ぶり?結果はオープンクラス17艇中の6位(不確か:後で確認します)でした
メインシートのストッパーもブッ壊れ速度計はおかしいし最後はメインシートのブロックが外れるというおまけまであったけど無風微風順風ドン吹とすべてのバリエーションを楽しみちょっぴりブローチング紛いもあったし楽しいレースでした
レース中の近間さんや野間さんの動きをみて入山さんも神原さんも随分勉強になったでしょうね
回航も景色や目標や舵取りなどを教えてもらいホントにいい勉強の機会になったのではと思います
いりちゃんもかんちゃんも松原ボースンの教育?のおかげでコーヒーなどのお世話も手馴れたものでした
エンジン不調で行きも帰りも12時間の回航でしたが大きなトラブルなし(どこが?!)で無事にシーホースに帰ってきました

ヨットの練習 梅雨明けの空の元 [ヨット]

日曜日は来週の宮島でのレースに向けての練習日でした。

IMG_8859.JPG




この日は雨が降るかもしれないけれど、
雨を想定しての練習をするのだと、コック長からみんなにメールが届いていました。
実際、走り出して、間もなくポツリポツリと雨粒が落ちた時がありました。


IMG_8873_R.JPG





IMG_8866_R.JPG


最近甲板長の誘いで、練習に参加してくれた神原さんは、
学生時代は琵琶湖でディンギーに乗っていたそうです。

クルーザーはこれからとのことですが、
一週間後の宮島のレースの参加が決まっています。





IMG_8871_R.JPG









IMG_8884_R.JPG


すぐ傍を通った時、船のオレンジもさることながら、染まった海が、
そこだけ賑やかで、他と全くちがっているのが印象的でした。




IMG_8891_R.JPG


初めのうちは、海上は無風状態でした。
でも陸では下の方だけ風が流れているようでした。





IMG_8897_R.JPG


  この日の練習を呼びかけたコック長は参加できませんでした。
      回航の打ち合わせに訪れたピーターストームの
       近間さんと野間さんが参加してくれたので、
        結局は七人が乗りこんで海に出ました。





IMG_8901.JPG






     


IMG_8904.JPG

    野間さんもベテランです。
 出張が多いので、このところヨットに乗れなかったそうです。
  これからは、青森出張で又暫く乗れないのだそうです。
 
 
自分には経験がないし、これからもない事なので
”出張”と言う言葉には憧れのようなものを感じるのですが、。




IMG_8910_R.JPG






IMG_8914_R.JPG

    いつ空がこんな風に変わったのか、
  日が雲間から洩れているのだなと思っているうちに
 陰ることがほとんどなくなって、
        後は影が恋しいほどの照りでした。

   
どこを見ても、変化に富んだ白い雲がたくさん出ていて、
             それはたのしい空でした。

     風がどんなふうにやり取りしたのか
         想像させられます。






IMG_8917_R.JPG

  
   梅雨明けが翌日に宣言されました。

      開けようとする現場にいた訳ですね。






IMG_8926.JPG







IMG_8932_R.JPG

     





IMG_8933_R.JPG







IMG_8934_R.JPG







IMG_8946.JPG









IMG_8962_R.JPG


皆の話に耳を傾けながら、
どんどん変化する雲を目で追っていました。






IMG_8967_R.JPG






IMG_8978_R.JPG







IMG_8981_R.JPG







IMG_8985_R.JPG







IMG_8995_R.JPG



    




IMG_9000.JPG

  
  決まって「ああヨット!!」 と思う瞬間がいくつかあります。

    スピンが上がった時もそのひとつです。






IMG_9001_R.JPG







IMG_9002_R.JPG







IMG_9009_R.JPG



見守る大ベテラン



IMG_9010_R.JPG







IMG_9017_R.JPG







IMG_9024_R.JPG







IMG_9046.JPG






IMG_9067_R.JPG

    

   「入山さーん。、、、感じが分かったら、僕にもやらせてください。」
     物静かな神原さんも、宮島に向けて、盛りだくさんの一日でした。





IMG_9069_R.JPG




  宮島では、良い風が吹きますように。



ヨットの改造整備は小雨で中止だったけど。 [ヨット]

先週する予定だったマスト倒しは雨の為に中止になりました。

持ち越ざれた今週は、日曜日までは持ちそうだった天気の予報が
前日から修正されつづけて、
朝出かける時間には、もう小雨が降り出していました。

でもとにかく中止の連絡は入らなかったので、
シーホースまでは出掛けました。



002_R.JPG

       小雨の中に立って、ヨットを見上げて。







017_R.JPG

           帰港している船長から 甲板長へ電話が入り、
           2時間ぐらいなら作業が手伝えるけれど、、という事でした。

            この時点で、今日の作業は雨で中止と伝えられていました。



019_R.JPG


      でもね、、、




024_R.JPG

     ヨットの所まで、来ているのです。。





026_R.JPG

         そう簡単に、帰れませんよね。





034_R.JPG







037_R.JPG







053_R.JPG

         あそこでは、海に出てゆく人たちが、、、
  
     後で、ガレージの人に  「雨の中、釣りに行かれたんですか」と尋ねると、

   「そうそう。、、、休みの日しか行けんでしょう。   
      お客さんの中にゃあ、土日ちゃーんと休んでも、海に出られんかった時は   
      二週間続けて働いた気がすると言うて人がおってですよ。」

      と楽しそうに説明してくれました。

     「それ、わかるなあ。」とコック長



055_R.JPG

        隣のフォルテッシモのカバーに雨が溜まっていると気付いて、
            カバーをつけかえる大師匠。
   




IMG_8812_R.JPG

      部品の本か何か調べるためだったのでしょうか、、
        事務所の中に入ると、事務員さんがコーヒーを出してくれました。

      そこへ、ピーターストームの近間さんも
     「どうも、気になるから、、、」と、現れて、、。


     改造案が交わされて、

   
     天気に対する愚痴がこぼされて、、
     でも、まあ、梅雨ですものね、、、と慰め合って

     「 じゃあ、今日は仕方がないから、勘弁してやりましょうか。」
     
      といった、お開きの言葉が何度も繰り返されて、

        


056_R.JPG

    
            
  
  「 じゃ、帰ることにしますか」 と
       
    事務所を出たら、
         みんなの身体の向きは駐車場ではなく、ヨットの方
     

061_R.JPG
  
         
        




大津島 本浦へ [ヨット]

  日曜日は、ヨット仲間が港に繋留するための
                    錨うちをする手伝いに
、           大津島に行こうとコック長から連絡がありました。
     
      夫が留守の日曜日だったので、
    いつもより早い集合時間に合わせて早起き出来るように、目覚ましをかけました。
 
    着いたら、まだ誰も来ていなかったので、
      誰かが寝坊でもしたのだろうと思って待っていました。

     ガレージの人に出合って挨拶をする時
   「みんな、まだ来ていないんです。」  
                言って良かったのです。

  「みなさんもうヨットに乗りこんでらっしゃいますよ。」

     レースの回航など、朝暗いうちに出港する時は、
              前日に隣の桟橋にヨットが回してあって、駐車場も入口が違うのです。
               

      慌てて車を回しながら見ると、ヨットは艤装もすんで、
                           ”来しだい出発”モードです。
       
             待っているつもりが、待たせていたのです。

 謝りながら、向こうで待っていたというと、
       とたんに皆が、わはは、、と声を揃えて笑ってくれて

   「今日は、僕がちゃんと起きたんで、、、」と
     コック長はフォローしてくれました。

     朝いちばんやってしまった!!という縮んだ気持ちがほっと軽くなりました。

でも、もう一つ、すぐに白状しないといけないことがありました。
         カメラを家に忘れて来ていたのです。
    
     ”せんじょうカメラマン”といつも甲板長にからかわれている自分が
               カメラ本体を持たないで、乗りこんだのは初めてでした。

     (コック長がデジカメを貸してくれて、
           ネット上に掲載してくれましたが、
              まだ取りこみが上手くできていません。
         写真は後から挿入しようと思っています。)
 

  この日は
   コック長 大師匠、甲板長のほかに
ピーターストームの近間さんも一緒でした。
      
    近間さんは他所のヨットに乗っても、クルーの一員として自在に動いています。      
            ベテランとしては自然で当たり前の事かもしれないけれど、
       回航先などでヨットを下りた時の近間さんの姿しか知らなかった目には、
              ヨットマンとしての姿が新鮮に映りました。
  
      

          出港後ほどなくして、最近入手したという小さ目のスピネーカーを
               上げてみようという事になりました。

         風の具合によっては、トリムさせてもらえるかもしれないと言う期待が
           メールを読んだ時から湧いていましたが、
              風がしっかり吹いていて
            甲板長でさえ、トリムをするのに体重を使っている様子を見ると
               小さくて力もない自分には無理だとあきらめました。


      黒髪島の沖を通る時、
                 島から、ホトトギスやウグイスやシジュウカラのさえずりが聞こえました。
          しっかり聞こえることに驚くような距離でした。
               
           「あの島まで距離はどのくらいあるんでしょう」  と尋ねると
          
           「500メートルくらいですかねえ。  
                   でも海の上は距離が分かりにくいですからねえ。」
               というコック長の答えの、”分かりにくい”というところで、
                         皆がそうだ、そうだと言うように頷いていました。

                 
           声の聞こえてくる ホトトギスに始まり、
                  夜中になくニワトリの話までが持ち出され、
                      鳥のはなしで暫く盛り上がっていました。               、
           


               初めは繋留する大津島の本浦に直行の予定でしたが、
         ちょっとしたトラブルで出遅れていた”アルパイン”を
       長田海岸まで迎えに行きました。

 
           アルパインのオーナーの有井さんは、日焼けした顔の皺が
               笑顔をしっかり形作る気さくな人でした。
                   
      不具合はすぐに治って、       
    二艇のヨットが連れ立って大津島に向かいました。
               
          長田海岸と本浦を結ぶ航路は 
              船足の遅いヨットでも短い行程でしたが、
                   初めてだったし味わうものの多い楽しいセイリングでした。

        島に近くなると漁船が一艘出てきました。
                 迎えに来てくれたのです。
           
           その漁船に乗っていた人が、港に着くとそのままリードして
                                 ひきつづき作業がはじりました。

  

         コック長がこれだけ猫の手もネズミの手もあれば作業がはかどるだろう、
               と前日のメールで言っていたので、
                ネズミの手にも出番があるのかと思っていましたが、

           出迎えた船頭さんと有井さんとその連れの若い人とで
                      誰も手出ししないまま作業が進められました。
        
          有井さんのお孫さんはそのパパを従えて
              波止場で大名釣りをしていました。

       錨うちの作業は傍観している中あっけないほど簡単にすんで、
           この日は夕方用事のある人もいたので、
         すぐに又帰ることになりました。

        繋留したアルパインを島に置いて帰るので、
            皆が一緒にブルーノ―とに乗って、
        総勢九人で帰路につきました。
          
 若い男の人は、ヨットが初めてだそうで、
               「何を言ってのかさっぱり分からん」  と
            皆がヨットの話に耳を傾けながら言っていました。

        ついこの間まで、自分もそうだったことを思い出しました。
               今は、何が分からないか分かるようになりました。

       風が良く吹いて、メインだけでも8ノットくらい出ていましたが、
        スピンを揚げてからはヒールがきつい時があって、
             その傾き加減に驚いていた新人は、
                       ヨットの復元力にも驚いてヨットは面白いと言っていました。


          有井さんのお孫さんの七歳になるたっくんは、大きくヒールする度

               「こわいよー 」  「 こわいよー」 と高い声を出していましたが、
             顔はいつも嬉しそうに笑っていました。
                   デッキの傾きに合わせて上に登ろうとする動きも全く危なげがなく、
                  おじいちゃんのヨットで良くなれている事が伺えました。
          
           
                    たっくんは伝えたいことがたくさんあるようでした。
       

         スピードがあがって、どんどん走っている時
                     又帽子を飛ばしてしまいました。

           クルーのみんながすぐ”救助体制”に入ろうとするので、
              旋回するためにスピンを下ろすのは大変なことは分かっているし
                 帽子はいらないと、わいわい言いましたが、

               「どうせスピンは降ろすところだったし、、、」ととり合ってくれません。

              落ちた帽子を見失わないように
                ずっと見ていてくれた有井さんが、目標物を指示して
                ヘルムの大師匠をガイドしていました。

             気づくと、みんなを見ている自分以外のみんなは一人残らず                                   有井さんの言う方角を見つめていました。
                      人数も多かったので、記憶に残りそうなシーンでした。
              
          
      
           水を含んで沈んだのか、帽子は結局見つかりませんでした。
                        
                迷惑をかけたはずだけれど、楽しんだ気分の方が残りました。

                
                  シーホースには有井さんの奥さんと御嬢さんが
                             それぞれの車で迎えに来ていました。      
                                                                                                                                               

2013 宇和島パールカップレース 帰りの回航 [ヨット]

    ヨットに帰って出発するまでの時間はあっという間でした。
            まだ9時になっていませんでした。

    
    暗い海に乗り出しても、初めは陸の灯りも大きく、
             前を行くピーターの光も近くに見えていました。

      そして頭上には北斗七星も北極星もはっきりと見えていました。

      荒れていなければ、そして、とてつもなく太いロープが
         プロペラに絡まなければ、
     夜の航海は宇宙に包み込まれたような安堵感すらあります。

     
      風邪をひきそうで、頭痛のするコック長が船室に入った後も、
        みんなはずっとコクピットにいて
      いつまでも、静かな話し声が続いていました。

     聞いていると、いつもいつもヨットの話に戻ってきます            

 昔は夜のヨットレースがあったそうで、
         夜でもスピンまで上げるのだと大師匠が言うのを聞いて
        暗い海面を見ながら、夜のレースの風景を想像しました。

        
       今回は、事もなく順調に走っているなと思っていた矢先
              急にエンジンの音が変わり、船足が落ちました。

       バックしてもすぐには様子が変わらず、
          船足が回復するまで、時間がかかりました。
                     
       船足が次第に回復してからも元の速さには戻りませんでした。
        
        途中からは、この調子でガソリンが足りるだろうかという心配も出てきました。

          宇和島で、帰りのガソリンの補給を忘れていたのです。
            
            あーあ、何かハラハラすることを
              無意識にでも、わざと作っているのではないかしら、、、。

          
          
       「でも、まあ、風があればセイルをあげて走ればいいんじゃしぃ、、、」

            そうです。結局何とかなるのです。
         ヨット乗りの話をきいていると、
            やっぱりみんないろんな体験をしてきています。

          それにしても、
             「うちは、マストが折れるわ。
                   座礁をしたことがあるわ。
                   セイルは破くわ、、、、、、云々」
                        
            「ぜぇーんぶやってるもんね。 」
                 と言った時のコック長の嬉しそうな声。
       
              ガス欠なんか何でしょう!!           
                
           先の心配はしないで、夜の回航をたのしむことにしました。
     
         
       途中で舵を持った時は、練習をしようと思い
             遠く前方に行くヨットのマスト灯と、パルピットの一部が重なるようにしました。
          
         キャプテンが行きに教えてくれた事を思い出して、
               こまめに舵を切り続けて
                     ヨットの動きがジグザグにならず、
              光とパルピットが重なったままの状態を保つことに集中しました。
            そうやっていると、舵を押したり引いたりの折り返し地点の予測が
                     だんだんとつくようになりました。  

            
         潮の流れがぶつかり合う地点に来て、
                      海面の波少しが荒くなり始めた時、

               「代わった方がいいですね。」と言うと、


           「やったらどうですか。荒波を乗り切ったって事になりますよ。」
                 ちょっとからかうような調子でキャプテンが言いました。

           面白くなり始めていたし、舵を持つチャンスは多くないので、
             「いいですか、、じゃあ」と続きをやりました。

             舵の抵抗が違いましたし、少し複雑でした。
     光がずれない事を目標にすると、のんびりはできませんでした。
                 
                その分いろいろ感じられて、一層おもしろいと思いました。

            波が穏やかになったところで、代わってもらいました。
                   密かに”乗り切った”達成感を味わっていました。 
                 (それほどの荒波でないことは知っていましたが、、)           

                      
   夜が更けると海の上は厚手のダウンを着ていても寒いくらいです。
          出港が早いと夜は長いなと思っていましたが、
      キャビン入り口のかべに背をもたせかけて 
     座ったままうとうと眠ったりもしながら、初めて夜通しコクピットで過ごしました。
         
           
     ずっと空の下にいても
         夜と朝の境目は分かりません。
        でも、開けてゆきそうだという暗い中での予感は
                       静かな深い喜びを伴っていました。

       本当は毎日、こんな時間があるのだと思うと
                      不思議な気もちになりました。

P4290071_R.JPG







P4290072_R.JPG







P4290073_R.JPG








P4290074_R.JPG







P4290075_R.JPG







P4290076_R.JPG







P4290081_R.JPG







P4290086_R.JPG







P4290092_R.JPG








P4290093_R.JPG


   

    懐かしい煙突が見えてきた頃は、
       ガソリンを節約するために、少しでも風があればエンジンを切って
           風が止るとエンジンでという走り方をしました。


 

P4290094_R.JPG







P4290096_R.JPG






P4290098_R.JPG

   師匠がにこやかな顔で出迎えてくれました。




P4290099_R.JPG

      
  最後はガソリンを節約しながらの回航で、
   午前10時前 到着でした。
    
     
    フォルテッシモジュニアは、陸送を終えて到着していました。

       みなさんお疲れ様でした。
    今回も本当にたのしかったですね。


            

2013 宇和島パールカップレース レースがすんで [ヨット]

   レース後港に着いてから、
    パーティー会場への送迎バスが来るまでには、時間がたっぷりあったので、
    昼食をとる為に出かけました。

   近くで入ったレストランのメニューには
       朝、コック長が宇和島の名物料理だと教えてくれた鯛めしがありました。
     
   
      鯛釜飯のようなものかと思ったら、
        刺身を卵黄の入った出し汁につけて
       薬味とともに出しごとご飯にかけて食べるのです。
       
        シンプルですが、素材の味がそのままで
           美味しい食べ方でした。


     昨年、登り損ねた宇和島城に
        今年は時間もあるし、行けるかなと期待しましたが、
      いつもは何でも行ってみたり、やってみたりが好きな大師匠も
         レースの後だし、ビールも入ったからか
           積極的ではありませんでした。

IMG_8687.JPG

     (朝、ホテルからの帰りに撮った宇和島城、坂道が見えます。)



    「じゃあこの次ということにして、、」と登るつもりでいたコック長が〆ました。        

       来るたびに、お城が近くなって行っているというところでしょうか。



     商店街を例によって当てもなくフラフラしている時急に
          目の前の喫茶店に入ろうかという事になりました。


          皆が和風の甘味やさんに入るなんて思いもよらなかったから、
                サプライズ効果があったのか、
                 思い出して嬉しくなる時浮かぶのは中で食べたものよりも
             皆がぞろぞろお店に入っているシーンです。

               
          
+++++++++++++++

      港に帰って、バスに乗る前、
           ヨットに忘れてきたカメラを取りに帰りました。


        ところがヨットを桟橋に引き寄せるために重いロープを引いても
             梯子段を下りるために手を放すと、ヨットは離れてゆきます。

         普段なら離れる前に飛び降りれそうな高さでしたが、足を痛めていて、
                飛ぶことが躊躇されてカメラをあきらめねばなりませんでした。
               
         そのため、
            この後のパーティーの写真はありません。




***************
      
   
035.JPG

 
          パ^ティー会場につくとすぐに
           宇和島のヨット”だんだん”のオーナーの奥さんから、昨年の約束通り
                 素敵な布草履をいただきました。
            
            草履は布だからしっとりとして履き心地が良いのですが、
                 こんなに綺麗に編んだものは履くのが惜しい気がします。
                                
  



  
IMG_8626_R.JPG
                     

       
今回ブルーノートは8番目にゴールに入り、レートによる修正着順は9位でした。
     

             宇和島レース初参加 初乗りのフォルテッシモジュニアは
                大健闘の準優勝でした。
               マイクでコールがあった時、布田さんは
               
                   「お前がオーナーだから、、」 と
            
            ヨットには乗らなかった奥さんが盾を受け取りに出るよう促されました。

            
              レース中観察された
              フォルテッシモジュニアの走りについて、
                    あそこで、どうだった。
                  こんな時とうだった。と
            
            見ているとブルーノートの方が盛り上がっていました。
       


    
      パーティー会場へ入るのが遅かったので、
       席は屋外で、中の様子が見えないところでした。
IMG_0872_R.JPG

       昨年、会場の中から写真を撮ったケヤキの新緑がすぐ傍に見えて
          夕方の光を透かした葉が、風にそよいでいたので、
                      お風呂上りの心地よさがいやさらに増しました。


     マイクの声は聞こえていたので、
          今年初めて宇和島レースに参加した布田さんの奥さんと
                   時々誘い合っては、
                    じゃんけんに参加したり、
              勝ち残っていると知って友達の応援に行ったり、


       へーぇ!ゴリラの血液型はみんなB型か、、、
                       などと当たらなかったクイズの答えを
               つぶやきながら席にもどったりしました。




056_R.JPG


              
     カメラがなくて残念だったのは、一度や二度ではありませんが、
         一番残念だったのは
                パルのオーナーが席に尋ねてくださった時でした。

         今回ブルーノートが初めて勝てた記念すべき同型艇のオーナーは、
           「いやあ!いやあ!参りました。お見事でした。」と
               嬉しそうな大きな声でいいながら、コック長の手をにぎりました。
          

                  、くったくのない”羅漢さん”の笑顔でした。


      ************
          

        ピーターと帰りの回航についてあらかじめ相談した時は、
              逆潮を渡りきるのに効率が良い、
                        真夜中2時頃に出港する予定でした。


           ところがパーティーのお開きが予測したより早かったので、
            今すぐ最初の送迎バスに乗ってすぐ出港すれば、
         ひとつ前の潮で渡り切れるという判断が素早くなされました。
               


           お礼を言ったり、
              又会いましょうと言うはずのお相手を人垣の中に探す間もないまま、
                           パーティー会場を後にしました。

             別れ際の挨拶ができなかったのは心残りでしたが、
               いざバスに乗りこんだら、心の舳は家路へと向かいはじめました。



****************


  
      ピーターに迷惑をかけた昨年の回航を思って、
          今年は何も事故がありませんように、と思う気持ちの中に、
    暗い夜の海でどんな事が待ち受けているのだろうと、、
                    ちょっと冒険を期待する気持ちも混じっていました。            、
                
     
  

    
      

2013 宇和島パールカップレース   レース (2) [ヨット]

当てにされていようとなかろうと、
  秒読みは完璧でした。

 「あ、1分20秒前は、もう過ぎていた、、、、」
                 なんてことが一度もなかったのです。
    
     動きの多いスタート前は
       他に気を取られる事がたくさんあって、
        ハッとしたら、読み上げる予定の3秒前だった、、、
                  といったことは何度もあったにも関わらずです。
          
           
           

     危なげのない良いスタートを切りました。
          
             



10:06_8766_R.JPG

10時の スタート後、6分経過したころ。





10:06_8767_R.JPG

    





IMG_8770_R.JPG

        
   スタート 7分後
     今回は41艇がレースに参加したそうです。
         まだ混み合っていますが、黄色いパルはすぐ近くです。






IMG_8771_R.JPG


       
   ジグザグに間切りながら、風上に向かって走るヨットでは、
          角度と速度との関係で
         一見しただけではどちらが優勢なのか、
               私などには判断できない事があります。

     
       クルーの会話に耳を澄ましていて、
                あ、今はこっちの方がいいようだとか、

        ああ、ちょっと先に行かれたようだ、と判断します。

     手も口も出せないので、
           ひたすら良い風の吹く事を祈ります。




IMG_8772_R.JPG


     スタートの良さもその後の転回も
          「ちょうど昨年のようだね」ということでした。
        「去年は、すごくいいところをはしっていたんんですよね。」
          、
                   
           快走していたヨットのジブトラックが飛んで、
               そののちセイルが破れた時の話が
            ヨットレースが初めてのキャプテン(入山さん)に説明されました。
   

                 
      吹いていた風のようなドラマチックな転回のレースでした。

        強風はもちろん気を抜く事ができませんが、
                 はたまた無風も忍耐を強いられます。

            この日は程よい風がちょうど、上マークの方角から吹いて来て 
                          ヨットが爽快な走りを見せていました。
              
         レース中とはいえ、セイリングをしている時のような
                        ゆったりとした空気が流れていました。
             
     、                


    
IMG_8773_R.JPG


          




IMG_8774_R.JPG

      タックを繰り返して、上マークをめざします。
    





IMG_8777_R.JPG

         10:55 すぐ前がパル! 
       




IMG_8778_R.JPG







IMG_8779_R.JPG






IMG_8781_R.JPG

     
            スピンへの交換は少し手間取りましたが、
          上がれば、ブルーノートは快走します。




IMG_8785_R.JPG


           振り向くと、何と楽しげな海の上        
         
       以前見た時よりスピンの色が一層華やかになっている気がしました。、
           
              




IMG_8788_R.JPG

             
  大師匠は いつも終盤になると
      「 よーし、もう一艇抜きましょう 」と言います。

     みんなの気持ちに目標が出来て、
           レースに参加しているワクワク感が増します。  


    今回はその一艇が、図らずも同型艇のパルでした。

   

       最後のタックをした後、
              良い風が吹いたようです。     

      

        
IMG_8791_R.JPG






IMG_8796_R.JPG

     ゴールはもうすぐそこ





IMG_8798_R.JPG
         
      僅差で、パルを抜いて逃げ切ることができました。 

     11時40分ごろのフィニッシュでした。 
        フィニッシュはどんな展開の時でもホットする瞬間です。

        


 

P4280069.JPG


     
 「ついに、、目標達成ですね。」
   
  ビールとお水で、 
           カンパーイ!!

        でも、なぜか、港に帰りながら皆は静かでした。
           それぞれが胸の内で余韻に浸っていたのでしょうか






P4280070_R.JPG


    その落ち着いた空気を破ったのは
       私が海に落としたカメラケースです。

  「あっ、 大丈夫です。あのケースはいりません。」
      咄嗟にいいましたが、

   もうヨットはすぐ旋回をはじめて、
     ”遭難者救助体制”に入っていました。
     

 「きゅうじょしました!!」  と
        コック長が渡してくれた大きな網で、
     だんだんと近づいて来るバッグを掬い上げると、
        しょっちゅう物を落とすという引け目が霧散して、
            皆で協力して遭難者を救助したという喜びに変わっていました。 

    最後の最後まであそびました。

       港に帰ると、お風呂とパーティーが待っています。    

     


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。