SSブログ

お隣のゆうこさんのこと [雑記]

ミモザ.JPG



お隣は4人家族で、家族の数だけ車があります。
それで、おじょうさんのゆうこさんの車は近所の駐車場に置いてあります。

毎朝仕事に出かける時、ゆうこさんは家の前をかっかっかっと走ってゆきます。
夫は新聞を読んでいても、その音を聞くと、
「ゆうこさんが、又走って行くよ」と笑って教えます。

10年前に越してきて、はじめて回覧板を持って行った時、チャイムをおすと
「ハーイ」と大きな明るい声がして、走る足音がして
現われたのが、たしか中学生になったばかりぐらいのゆうこさんでした。

なんと明るいすてきな笑顔だったことか。
越してきたばかりの隣人に会うチャンスを、待っていたかに見えました。
その顔を見たとたん、いい所に越して来たのだなあと感じました。

我が家の子どもたちはもう巣立っていましたし、
ゆうこさんとはあまりゆっくりお話する機会はありませんでした。

でも留守をする時、飼っていた犬のご飯や、花の水遣りを
おねがいしてお世話になったりもしました。

ゆうこさんが家をはなれて学校に行ってからは、
出会う機会も少なくなりました。

いつの間にか大人になったゆうこさんの笑顔は
少ししっとりしたお姉さんのそれになっていました。

それでも、かっかっかっという走る足音が聞こえると
「ほらほら又、ゆうこさんが走っていくよ。」
「足音聞くだけでも可愛いねえ。」
「いそいで、いそいで、おくれる、おくれる。」などと、陰で勝手な掛け声かけたりしては、
音につられるまま、決まったように笑い合っていたのでした。

明日の日曜日はゆうこさんの結婚式です。



バーベナ.JPG


桜とスズメ [雑記]

桜、遊歩道.JPG


昨日河原に作られた遊歩道を桜を見ながら歩いていたら、
1本の桜の木の中で、スズメのにぎやかに鳴く声がして、
見るとたくさんのスズメが、枝の間をとびかっています。

様子から蜜を吸っているのだと思いました。


桜とスズメ.jpg


その後で、道の上に、桜の花が花ごとたくさん落ちているのに気付きました。

スズメの落とした花.JPG


桜は、たまに枝ごと落ちたりしているのを見る事がありますが
散る時は、花びらが散ってガクは枝に残るので、これは珍しい光景でした。

それで昨年、スズメが桜の花を落とすということが、話題になった事を思い出しました。
花を拾って調べると、丁度ガクの膨らんだところと軸の境のところでかじり切られています。

スズメのかじった茎.JPG



ガクの底には穴があいていたので、
一つだけ桜をとって、同じ場所をかじり切って、吸ってみました。
わずかですが、確かに甘い蜜が吸えました。

昨年話題になったのは、それまでスズメには、そんな習性がなかったという事なのでしょうか。

子猿が芋を洗って食べ始めたのが、サルの間に広まったとかいう話と同じような、
スズメの新しい習慣なのでしょうか。

面白い事に、川沿いには桜の木がたくさん植えてあるのに、
そのあたりで、花を落とされた桜の木は、1本しかありませんでした。

その木の蜜が、昨日はちょうど飲み頃だったのでしょうか。



さくら 夕方.JPG




対岸.JPG





シジュウカラを待つ [雑記]

シジュウカラは巣作りをはじめて3日目に、
またしてもスズメに追われてしまいました。

今回はシジュウカラはもう巣作りを始めていたからか、
すぐには諦めずに、スズメに抗議していました。
双方が、がちゃがちゃとけたたましい声で鳴きあっていました。

スズメの方は、そのうち仲間まで応援にきたので、
シジュウカラはかなわなかったのでしょう。

作りかけの巣を諦めず、スズメがいなくなったところを見計らって
戻ってくることに望みをかけていましたが、
飛んでいったきり姿を見せません。
実際あんな環境での子育てはむずかしいと思ったのでしょう。

やがてシジュウカラの子育てが見られると思って、本当にたのしみでしたから、
自分が入れもしない巣箱から、巣つくりを始めていたシジュウカラを
追い払ったスズメが憎らしいような気になりました。

でもスズメも、シジュウカラが去った後、
しきりと穴から中をのぞいたり、中に入ろうと試みているのです。

それを見ていると、穴を大きくしてやらない私たちの方が
スズメに意地悪しているような気になります。

かといって、シジュウカラのことも諦めきれません。

最近もらった巣箱がもう一つあるので、
穴を大きくして、どこか場所を見つけて掛けてやろうかと
案がでています。

シジュウカラが来はじめてからというもの、
きれいなさえずtりの声が家の中にいても聞こえて、それは楽しかったのです。

今年はもう無理でも来年、、と
巣箱を見ると、遠くを見る思いがします。



お地蔵様.JPG







魚の頭をなでた思い出 [雑記]

さかなといえば、もう一つ、やはり小さな魚の思い出があります。

子どもが川で遊んでいるのを、
川の中に立って見ていたことがあります。

ふと気がつくと、小さな魚が足をつついているのです。
そんなことがおきて、とても嬉しかったので、
魚が逃げないように、とにかくじっとしていました。

見ているうちに、魚をなでてみたくなって、
驚かさないように。そーっと水の中に手を入れてゆきました。

指よりはるかにちいさな頭の部分を、人差し指でなでるように
うごかすと、魚は頭をさすらせたまま、逃げもしませんでした。

魚にとっては、海草が頭をなでるのと同じようなものだったのかもしれません。
でも、わたしにとっては、やはり特別なできごとでした。
普通は近づくと逃げてゆく魚が、じっとなでさせているのですから。

魚が足に寄ってくる事はあるそうで、
それは暖かいからだ、とききました。

だから、そういうチャンスは、いつか又あるかもしれません。


遊ぶさかな    [雑記]

昔、夫が釣にのぼせていた頃,
連絡船で島に渡って、
降りた港の、桟橋から釣をするのに同行した事があります。

桟橋をぶらぶらしていて、水の中を見ていたら、
何かの稚魚か、小さなメダカくらいの魚が、
水面すれすれのところを、1匹で泳いでいるのが目に入りました。

深かったのか水の色は暗い緑色で
そんな中で小さな魚がたった1匹で泳いでいる光景は、
それだけでも私には珍しかったので、
じっと見ていました。

その魚はどうも、浮かんでいる爪楊枝のようなものに興味を示しているようなのです。
ちいさなしっぽをピリピリと振っていたかと思うと、なんと、
ぴょんとその爪楊枝をジャンプして飛び越したのです。

水音も聞こえないほど小さな魚のジャンプです。

それを見た時、魚があそんでいる!とびっくりしました。
と同時に、素敵な瞬間に遭遇したと思いました。

あんな小さな魚が遊ぶことなんて
想像したこともなかったのに、尻尾の振り方や、飛ぶ様子から
遊んでいるとしか見えませんでした。

そのあと、そう離れていないところに、今度は斜めに立って浮かんでいた
松葉か何かのような物を見つけて、
今度はその周りをぐるぐるまわっていました

途中で向きを反対廻りに変えたりして、
やはり、様子が嬉しそうにみえるのです。

後から、すこしはなれたところで、同じ種類の魚の群れが泳いでいるのをみました。
あんなに小さいのに、群れから外れて一人で遊ぶ魚がいる、
と思い、それも又驚きでした。

本当はちいさい事など関係ないのかもしれません。
自分が見えないものは、ないもののように思い込んでいただけで
そんな事、見知っている人にとっては
あたりまえのことなのかも知れないと思います。

でもそれ以前も以後もそんな魚を見たことがないので、
今でも、本当はどういうことだったのだろうと、思います。

もう一度でいいから、そんな光景に遭遇したいとも思っています。



シジュウカラ用の巣箱をめぐって [雑記]

スズメ.JPG庭の花みずきの木に夫が作って掛けた鳥の巣箱がある。
巣箱に入る鳥の種類は穴の大きさで、決まるそうで、
本に書いてあった通り厳密に計って、シジュウカラかヤマガラ
に合わせて作ってあるのだそうだ。
出来上がりを見た時、夫の丁寧な仕事ぶりに感心した。
これから雨風にあう場所に吊るすのに、ぴっちりと組まれて、
角はサンドペーパーが念入りに掛けられて落としてあって
ガラスのショーケースに入れたいほどの出来ばえだった。


はじめのうちは鳥が来るたび、「きたっ」と教えあって、陰からそっと観察していた。
鳥が、こんなすてきな巣箱を見つけた以上は気にいらないはずがない、
と思えるのだけれど、1年半になるのにまだ実際に巣作りをはじめた鳥はいない。

ある時、シジュウカラがとても熱心に巣箱をチェックしていた。
おすとめすのどちらが先にチェックするのだろう。
待っている方は、すぐ側の枝で、羽をピシッピシッと震わせている。
その様子は、良い家が見つかって、期待感に打ち震えているように見える。

とうとう中に入ったりし始めたので、もうそこで巣作りするものと思ったら、
どこかへ行っては何度か来ていたが、けっきょくそのままに終わってしまった。


ある時、スズメが、ちょうど同じような事をやっていた。
穴から入りたいのだけれど、スズメにはやはり少し小さいようだ。
それでも小柄な方のスズメは何とか入れて、
大きい方にも入ってみろと側で促すのだが、どうしても入れない。
やっと頭を無理やり突っ込んだら、今度は抜くのに苦労して
あたまの羽毛が逆立っていたので、本気のスズメに失礼な気もしたけれど、
可愛くて笑ってしまった。

大きい方が入れないのに、小さい方はあきらめられないらしく、
何度も入ってみろと、こちらにも分かるような様子で促している。
スズメもやはり待っている方は、姿勢を低くして羽をぶるぶると震わせている。

結局はあきらめるしかなかった巣箱に、次にシジュウカラが2羽でやって来た時、
しばらくするとスズメも2羽でやって来て、
シジュウカラが調べている巣箱の周りを、枝から枝へ飛び移るのを見た。

近くの枝にとまって、
いかにもこれは自分たちに権利があるのだと主張しているようだ。
シジュウカラの方もスズメが来たからといって、
すぐに飛び去ったわけではなく念入りに調べていた。
その間、スズメは執拗に巣箱の周りの枝を行き来して牽制していた。
攻撃し合うでもなく、スズメとシジュウカラのことだから、様子はそれぞれに可愛らしい。
でも、自分たちが入ることも出来ない巣箱の権利を主張するスズメの心理は
どんなものなのだろうと、興味が尽きなかった。


暖かくなった数日前の事、
久々にシジュウカラが2羽でやって来て巣箱に関心を示していた。
これまで何度も失望しているのに、
「ツ、ツ、ピー。ツ、ツ、ピー。」という期待に満ちた声のひびきに
「もしかしたら、今度こそ。」と、こちらにも新たな期待感が湧いてくる。
そうしたら、又しても2羽のスズメが現われた。

この先どういう展開が、期待できるのだろう。



シャッターチャンスのこと [雑記]

心を捉えるシーンに出あって、手元にカメラがあったら、とにかくシャッターを切る
デジカメになって、失敗した写真はその場ですぐ捨てる事が出来るので、
シャッターを切る事はほんとうに簡単になったと思う。

そうやって撮った写真の出来が良くなくて、他人には何の興味もわかないようなものでも、
自分にとっては、そのときの体験や印象を、まざまざと思い起こさせてくれる
大切なものになったりもする。
夫が写真を一生懸命撮っていた頃は、子どもの写真でも出来が気に入らないと、捨てていた。
わたしは、どんな写真を見てもそこに写っている子どもの姿を可愛いと思ったから、
後でそっとゴミ箱から拾ったりしていた。

オートできれいな写真がとりやすくなったが、
たまにシャッターチャンスに恵まれると、自分でも期待しなかったような写真が
撮れることがある。
私にとっての、シャッターチャンスは”偶然のお恵み”だ。

でもシャッターチャンスという自分にとっては偶然でしかないものが、
実はそうとばかりはいえないことに気がついた。

若いころから、80歳を過ぎた今も鳥の写真を撮り続けている方を知っている。
車や単車で出かけるばかりでなく、鳥を撮るための旅行に出かけてたくさん撮っていらっしゃるのだから、
私たちが普段目にする事のない、珍しい鳥の珍しい瞬間の写真もたくさんあるけれど、
その方が写すと、なんでもない鳥の、ありふれた生活の様子が、本当に愛おしく見えるのだ。
やはり、見る人の目、心を写しているのだと思う。

時々写真を見せていただきながら、おはなしを聞く。
「どうしてもカメラに収めたいと思って、この木の前にカメラを据えて、待っていたんですが、
ついうとうとして居眠りしてしまったんですよ。
それで、ふと目を覚ましたら、ちょうど目の前のこの枝に止まっていたんで、
あわててシャッター切ったんです。」
その時の情景を、思い浮かべると、絵本でも見るような、ほのぼのした気持になる。

ある時こうした、「ちょうど、、、」「たまたま、、」「偶然、、」というお話がたくさんあることに気がついた。

カメラを据えて待つ場所を選ぶとき、鳥がやって来て止まりそうな木の種類が分かるばかりか、
もっと繊細なところにまで勘が働くほど鳥の習性を熟知されているから、そういうことが
度々おきるのだ。

長い年月、ひとつのものに愛情と情熱をかけてこられた方にとっては、
チャンスは”予約を入れて会いに出かける”ようなものなのかもしれない。




コック長の犬のこと [雑記]

昨日ロンの事を書いたら、ヨットのコック長(オーナー)が昔飼っていた利口な犬
のはなしを思い出しました。 
(と書くとロンの利口さを並べ立てたくなるのですが、いずれたっぷり書くことにして、、)

その犬と散歩していて、犬がひとりで先の方へ行った時、急に思いついて、
木の上に登って隠れていたのだそうです。

戻ってきた犬(名前を今度聞いて、書きなおしたいです。)は、
最初あわてて行きつ戻りつして探していたそうですが、
ついに木の上の飼い主を見つけて、嬉しそうにしたそうです。

そこまでの事なら、上を見上げてしきりと尻尾をふる姿が、どんな犬ででも想像できます。

ところがその犬はその後、急にパーッと向こうへ走り出していったのだそうです。
つまり”かくれんぼ”のゲームが分かって、今度は自分が,かくれようと
走り出していったのだそうです。

なんて賢い、なんて可愛い犬だろうと、見たこともないのに思います。
いたずら好きで、遊び好きの飼い主の気持が、信頼を寄せている犬にはまっすぐ
分かったのだろうと思います。



<後記 > 
犬の名前は モコ でした。
わかったら、文を書き直すつもりでしたが、
コック長が後にコメントで教えてくれたので、そのままにしました。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。